情報室にこもりっぱなしになると、
今が一体何時で、
自分がどのくらい部屋にこもっているのかわからなくなる。
ちらりとディスプレイの横の時計を見れば、
もう夜中の2時を回っていた。
気がつかずに、次の日になってしまうことも少なくはない。
凝り固まった体を伸ばし、部屋から出る。
コーヒーをもらいにと、足を運んでいる途中、
なんともいえない臭いが鼻に届いた。
血の臭い。
「たっだいまぁ〜」
「疲れたわぁ〜」
コートにべっとりと血をまとわりつけているベルと、
自慢のファーに紅い血がついているルッスーリアが帰って来た。
どうやら任務から帰って来たようだ。

裏方
「すっごい血・・・」
「あぁ、これ?いつものことよぉ〜」
「しし」
「洗濯が大変だからこまっちゃうわ」
いつものこと。
それが信じられないことだった。
そうだ、思い出した。
ヴァリアーはボンゴレの裏方の仕事をこなしてるんだった。
なんだか申し訳のない気持ちになり、
何もいえなくなった。
主な仕事がデスクワークの自分が情けない。
「なんで、泣きそうなわけ?」
「ど、どうしたのよ!?」
「なんでもない」
自分にもっと力があって、強ければ、
他の人にこんなことをさせなくてもいいのでは?
考えれば考えるほど、自分がみじめだ。
いつだってそう、自分は守られてばかり。
みんなみたいに強くなりたいのに・・・
「なんか、ごめん」
「何が?」
「何がかしら?」
「強くなりたい」
「はもう十分強いわよ」
「そうそう」
「ううん、全然」
「あー風呂はいりてー」
「洗濯しなくっちゃ!」
「裏方の仕事つらくない?」
「裏方?殺しのこと?」
「・・・そんなハッキリと・・」
「もうなれたわよ」
「そうそう、オレらそーゆー集団だし」
「そっか」
「何々?そんなこと気にしてたの〜!?」
「気にするよ、そりゃ」
「しし、俺らは楽しくやってるからいーのいーの」
「楽しく・・・それはそれで問題だと思う」
「ぁ、そう?」
そう思ってるならいいか。
なんて簡単なことじゃないけれど、
それでいいか、と思う。
とりあえず、
ボンゴレのみんなで楽しく笑いあえるならそれでいい。
そう思う自分は考え方が甘いんだろうか?
「とりあえず・・・」
「?」
「ん?」
「強くならないと」
彼女の決意は固い。
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