「買い物にいくわよぉ〜!」





バァン!






昨日の仕事が疲れたために、

朝の8時だが、まだベットの中で丸まっているところに

扉がすさまじい勢いで開く音がしたので目がさめた。

何事だ?と思い、

掛け布団から頭だけだして確認すると、

布団にダイブしてくるルッスーリアを見てギョッとした。

潰れる!

と、察したは思わずベットから飛びのいた。







「ギャァ!」

「おっはよぉ、

「殺す気かぁ!?」

「冗談よ、じょーだん」







朝からテンションハイなルッスーリアに苦笑いで返す。

本心では「笑えない冗談」と思っていた。








「それより、買い物に行きましょ?」

「え?」

「今日休みなのよ、私」

「いや、あたしはまだ仕事が…」

「いいじゃない、今日くらい!」

「ダメだって、まだしご」

「さ、さっさと着替えて着替えて!」

「…」














買物











自分って、こんなに流されるタイプだっけ?

自室で着替えながら、そんなことを考えていた。

何に着替えていいのかわからなかったので、

いつもどおりのスーツ姿にすることに。

ヴァリアーにいるときはスーツ姿か寝巻きのジャージでしかいない。

着替え終わって部屋からでると、

ルッスーリアが声をあげた。







「なんでスーツなのよ!?」

「は?」

「んもう!私服は持ってきてないのかしら?」

「持ってきてないけど…」

「ちょっといらっしゃいな!」

「ええぇ!?これから仕事だからスーツでいいんだって!」

「私からボスに言っておくから、大丈夫よ!」

「どこが!?」








引きずられるようにして廊下を通り、

ルッスーリアの部屋までやってくる。

部屋についたころには、

マーモンとベルが何故か部屋に入ってきていた。

廊下で引きずられている途中からついてきたそうだ。







「えーっと…あたしにどうしろと?」







ルッスーリアの部屋につき、三対一で向き合っているという図。

三人はヒソヒソと話した後、大きなクローゼットに歩き始める。

何がなんだかわからなくなってきたは、

呆然とその様子をみているだけだった。







「…」






クローゼットの中には大量の服がハンガーにかけられている。

レースがついたものから、シンプルなものまで。

様々な服がとにかくたくさんかけられている。

何が始まるんだ?と呆然と立ち尽くしていた。

なんだか嫌な予感がする。







「んー、やっぱりこれかしら?」

「は?」







ルッスーリアがクローゼットからとってきた服をもって

の前にやってくる。

その手には真っ白のワンピースがしっかりと持たれていた。








「…ワンピース?」

「さっ、着替えて着替えて」

「え?」

「ぁ、試着室はこっちよ」

「は?」

「着替え終わったらちゃんと見せてね、わかった?」

「これ着るの!?」

「あたりまえじゃな〜い」








試着室まで背中を押されて押し込まれ、

「なんで着なくちゃならないんだ!」と

反論する前にカーテンをしめられた。

試着室の中で、

手渡されたワンピースを見ながらため息をついた。








着せ替え人形、再びである。

以前にも同じような体験をしたことがある。

あの時も丸めこめられ、

いくら抵抗しても無駄だった。

きっと今回も、抵抗しても無駄な努力なのだろう。









「こんなのして何が楽しいんだか…」








自暴自棄になりながらも、

しかたがなく着替えることにした。











「着替えたけど…」

「やっぱ似合うじゃな〜い!」

「いいんじゃない?」

「ししっ、最高」








げんなりな顔の

そして感想を述べた三人。







のスカートとかレアじゃね?」

「いつもスーツだしね」

「せっかく可愛いのにねぇ?」

「…」






ため息をついたあと、

試着室のカーテンを閉める。

スーツに着替えなおそうと

ワンピースのチャックを下ろしかけたとき、

カーテンが開いてギョッとする。







「次、これな」

「…はい」

「チャック、王子が下ろそうか?」

「…結構」












「…」






さらにげんなりした顔でカーテンをあける。






「んまぁ!セクシーねぇ!」

「でも、ドレスだよ、あれ」

「ドレスでもなんでもいいだろチビ」

「ムッ」







は、

なんで今、自分は黒いドレスを着てるんだろうか?

と、ふと考える。

とりあえず、買い物するんじゃなかったのか?

というルッスーリアに対するツッコミと、

こんなことやめて仕事するべきでは?

という義務的なことを考える。







「…あの、みんな、仕事しな」

「じゃぁ、次はこれね」

「…」








手渡されたキャミソールとスカートを見て、

唖然とした。









その後も、

ワンピース、キャミソール、スカートの長いのから短いの、

Tシャツ、ブラウス、ジーパン、短パン、ドレス、着ぐるみ、

しまいにはヴァリアーの制服までも着せられた。

着せ替え人形ごっこが終わる頃には昼を回っていて、

結局、が押し切った(ここはゆずれなかった)

ジーパン、キャミソールというシンプルな組み合わせで、

買い物に向かうことになった。







「さぁ!買い物するわよぉ〜!」

「…」

元気ないじゃない?」

「はは」







さきほどのベルとマーモンはこれから仕事があるんだそうで。

ということでルッスーリアと

イタリアの街へと買い物に繰り出すわけだが、

は買い物といってもとくに欲しいものはない。







「おいしいケーキ屋に行きたい」

「私は可愛い服屋に!」

「また服?あれだけ持ってるのに?」

「やーね!もっと可愛い服をに着せるためよ」

「…もう十分」

「次は何がいいかしらねー…」

「もういいって」

「ぁ!次はもっとフリフリのがいいかしらん!?」

「聞いてないし…」







買い物の途中では脱走を決意する。