平和な平和なボンゴレファミリー。
何やら大広間が騒がしい。
みんなであつまる談話の場所で一騒動起こっているようだ。
ブチッ
「こんの、アホ牛がぁぁあ!!」
「ぐぴゃぁ!?」
「ちょ、ご、獄寺君!?」
「隼人やめなよ!大人気ないってば!」
すぐさまランボが泣き喚き、
獄寺を押さえるツナの方ではなく、
優しくしてくれるのほとへかけよった。
は十年前のランボを抱きかかえるとあやすように言葉をかける。
ランボの涙も自然と収まっていくのであった。
たまに、いや、わりと頻繁に、
十年前のランボがやってくる。
10年バズーカの所為で、
現在の大人ランボと入れ替わりにやってくる。
そのたびにといっていいほど獄寺はキレ、
ツナやが再び泣くランボを慰めるのが習慣となっている。
騒ぎをききつけた山本が、「どした?」と言って顔を覗かせる。
騒ぎの近くのソファに座ってたリボーンが「ウゼェ」と顔をしかめる。
いつもの光景が目の前にひろがっていた。
泣き止んだランボは抱きかかえられていて、
ランボ自身も甘えるようにの服をしっかり掴んでいた。
そんなランボを見て獄寺が噛み付く。
「だいたいなぁ!!オメェはこいつに甘いんだよ!」
火を吐く勢いの獄寺にランボが再びビクリと体を震わせる。
「あんたが泣かすからでしょうが」とは呟いた。
ツナは「まぁまぁ」と必死だった。
そこに、山本がやってきて、火に油を注いだ。
「獄寺、ヤキモチか?」
「なっ!!」
ちげぇ!
そう叫んだ獄寺にリボーンが言う。
「男の嫉妬は見苦しいぞ、獄寺」
「り、リボーンさんまで!ってか、ちげぇから!」
ボンゴレは今日も平和です。

平 和
とにかく、五歳児となったランボを獄寺の近くにいさせては不味い。
そういうわけで、あの場を離た。
「ランボ大丈夫だった?」
「大丈夫だもんね!ランボさんは強い子だもんね!」
ガハハ!と言って、の周りを走り回るランボ。
こうやって時折やってくる十年前の仲間と遊ぶのも、
の仕事となってしまっていた。
たった五分のことだけれど、なかなかいろんなことがある。
というか、五分しかないのに、
獄寺を必ずキレさせるところはさすがだ。
「ぁ、十年前のランボ!」
「わぁ!ホントだ!」
「ぁ、フゥ太にイーピン」
ちょうどそこへ、二人がやってきて、
かつてのチビーズがせいぞろいだった。
ランボはガハハと笑いながら「フゥ太」「イーピン」と名前を呼ぶ。
十年後の姿なのだが、ランボにはわかるらしい。
「またお守り?」
ランボに頬をひっぱられながらいうフゥ太。
イーピンはもじゃもじゃ頭をなでていた。
「そうなの」
「ならさん、また獄寺さんはブッつん?」
「イーピンよくわかったね」
「毎回のことだから」
「ごもっとも」
「ランボ、迷惑かけたらダメじゃないか、コチョコチョ」
フゥ太に脇をくすぐられ、笑い出すランボ。
この三人をみていると微笑ましい。
思わず声をあげて笑ってしまった。
ふと、彼女は眠気を感じた。
そういえば、今日は睡眠時間が短かった。
欠伸を噛み殺して、再び三人に目をやる。
「ランボがいないと思ってたら、入れ替わってたのね」
「姉、僕ら三人で仕事があったんだ」
「へぇ、じゃぁ・・・どうするの?」
「ツナ兄から説明をうけに、さきにいくことにするよ」
「ランボが元に戻ったら会議室に来るように言ってくれますか?」
「了解」
「じゃあね、ランボ」
「またね」
去り際に二人とも、ランボのもじゃもじゃ頭に手をのせる。
そして会議室へと足を運んでいった。
残されたとランボ。
は自分の部屋にお菓子を置いてあるのを思い出した。
「ランボ、お菓子食べに行こうか」
「行くもんねー!」
手を引いて、自室に案内する。
ちょこんとの部屋のソファに座るランボ。
その前に、クッキーを五枚ほど乗せた皿を前に置いた。
は反対側のイスに座った。
「食べていいよ」
「ランボさん、ここに座るんだもんね」
そう言って、ソファから降り、
飛び乗ったところはのひざの上。
小さいので充分座ることができる。
思わず苦笑して、「しょうがないな」と呟く。
獄寺の言うとおり、確かに自分はランボに甘いのかもしれない。
ふと、時計を見る。
おかしいな、もう五分を過ぎている。
ひざにすわるランボを見た。
クッキーをもぐもぐとほおばっているだけである。
「おかしいな・・・」
10年バズーカが少しおかしくなっているのだろうか。
いや、まさかな。
自分の思いすごいしだと思うと、時計から目を離す。
まぁ、いいか。
が、
突如、
ボフン!
「・・・・」
「・・・・」
彼女は重みを感じた。
それと同時に、「しまった」と思った。
もとに戻るのにひざの上に乗せといた自分が甘かった。
煙がなくなったあと、やはり、ランボがもとに戻っていた。
もとにもどってきたランボが状況を確認するように、
キョロキョロとあたりを見渡す。
そして、自分の下のに気づいた。
異常な近さに、ランボの頬が赤くなる。
「うわっ!?さん!?」
「ランボ、重いよ・・・」
「え?ぁ、すいません!」
状況に気がつき、すばやくから離れると、
焦ったように立っていた。
「す、すいません!十年前のオレがまた、お世話になったみたいで」
「クッキー食べてただけだよ」
焦るランボを見て笑う。
一方ランボはといえば、鳴り続ける心臓の音がうるさかった。
顔の熱も、なかなか去ってはくれなかった。
恥ずかしいことこの上ないが、毎回思いがけない幸運だと思う。
「隼人に次会うとき、気をつけてね」
「・・・・また獄寺氏を怒らせたんですか・・・?」
「うん」
「・・・・はぁ」
嬉しいのもひと時で、
毎回十年前から帰ってくると決まって怒鳴られる。
十年前のオレが悪いのだと思うが、どうしようもない。
ため息をついて、近くのソファに力なく座る。
自分はとことんついていないのだ、ととことん思う。
「元気だしてよ」
自分が座っていたイスから立ち上がると、
ランボの横に座って肩を叩いた。
「元気だして」といいながら、ブドウの飴をランボの前に差し出す。
「これあげるから」
「・・・・オレはもう子供じゃないですよ」
「わかってるって」
彼女の手のひらから飴玉をうけとると、
お礼を言ってワイシャツのポケットにいれた。
たとえ飴玉一つでも、いつも慰めてくれる。
他のメンバーに比べれば、は女神のような存在だった。
理不尽に怒られること泣く、優しく接してくれる。
このことは、もちろん五歳の頃から身に染みている。
「オレに優しくしてくれるのは、さんだけです」
「そんなことないよ」
泣けてきた。
泣き虫なところは昔からかわらない。
目じりにうっすら涙を浮かびあがらせながら、
勢いで隣のを抱きしめた。
「わっ」
驚きの声をあげたが、抵抗はしない。
ランボも苦労が耐えないのだろう。
そう思って、背中をポンポンと叩いた。
ランボとしてはこの状況はかなり嬉しい。
だが、男として、相手のこの反応はどうだ、と思うと少し悲しかった。
だが、今は彼女の行為に甘えてしばらくこのままでいたい。
愛しい人を抱きしめているには変わりはないのだから。
ガチャ
が、彼の幸せは続かない。
「・・・・何してるんですか?」
突如部屋に響くドスのきいた第三者の声に、
から離れることも忘れ、
ギギギと機械が振り向くようにゆっくりと扉の方を見る。
「ろ、六道氏・・・・」
相手が誰だか理解すると、頭が冷静になった。
バッとから離れると、冷や汗が全身を流れる。
骸の顔には笑顔が浮かんでいるが、それが逆に怖い。
恐怖を倍増させた。
「何してるんですか?」
「ひっ」
「ちょうどよかった、雷の。僕は君に用があるんですよ」
ニッコリ。
その後、引きずられるようにしてランボは出て行った。
断末魔が聞こえたとか、聞こえなかったとか。
残されたは、ランボに抱きしめられた途中から眠くなり、
そのままソファで眠ってしまっていた。
「、入るね・・・・」
その後の訪問者は、クローム。
ソファの上でぐっすり眠っていたを見つけた。
何もかぶっておらず、丸まっている彼女に近づいた。
「風邪引いちゃう」
ベットまで運びたいのは山々だったが、
を起こしてしまうのでは、と思いやめておいた。
毛布をそっと彼女の上にかぶせた。
「・・・・・また明日くるね」
聞こえないだろうが、そっと呟いた後、
の寝顔を今一度見ると、
音を立てないように部屋から出て行く。
仲間の優しさに触れながら、
彼女は夢の世界へと落ちていく。
ボンゴレは今日も平和でした。
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