朝から嵐が来たような物音がしていた。

廊下をせわしなく人が走っている音がする。

今日は大事な会議でもあったっけ?と、目をこすりながら上体をおこす。

まぁ、大事な会議なところですでに遅刻なわけだが・・・・。

時計を見ればもう午前の10時半。

結局昨日も徹夜に近い状況でベットに入ったのは午前4時。

適当な服(そのへんにあった黒の上下ジャージ)に着替えて、

部屋をでると、黒服の人たちが資料やなんやらを持って行ったり来たりしている。

まだ寝ぼけながら部屋の前でボーっと見ていると、見知った声がした。






さん、おはようございます」

「ロマーリオ!」






眠気は一気にふきとび、キャバッローネの人たちだと悟った。

ロマーリオに何をしているの?と問おうとしたとき、

左側から衝撃を感じた。






ー!」

「ぅ!」






寝起き一番に跳ね馬はなかなかに辛い。













 来 訪 









なんとか両手でディーノが頬ずりしようとするのをふせいだが、

左側から抱きつかれたままロマーリオと会話をすすめる。

ロマーリオさんは苦笑したままだった。






「ロマーリオさん、何をしてるんですか?・・・ってめ、この」

「キャバッローネとボンゴレの会議が昼にあるんですよ、その準備のためで」

「なるほど・・・って、いいかげん、離れ・・」

「それじゃぁ、ボス、先に行っときますよ」

「おう!」






助けの頼み綱ロマーリオが行ってしまい、改めてディーノに向き直る。

いつも出会えば真っ先に抱きつかれてしまうことを十年前から知っている。

今日はかわすことも出来ずにまともに捕まってしまった。






「で、ディーノ、ほら、会議でしょ?」

も来るんだよ」

「え!今起きた!聞いてない!」

「ほら、ジャージじゃなく、もうちっとマシなのに、着替えな!」






そう言って部屋に押し戻されてしまった。

会議なんて聞いていないと頭の中で文句をいいながら、

顔を洗い、髪をとかして、上下黒のスーツに着替える。

黒のスーツは五着ぐらいクローゼットに入っている。

一応ツナに聞いてから会議室に行こうと思っていながら、

部屋を出れば、ドアのすぐ横にディーノが待っていた。






「あれ?何してるの?」

「待ってた」

「はぁ?」

「一緒にいこーぜ」






今となってはすっかり大人な雰囲気をかもし出している彼は、

マフィアのボスとしても板についてきている。

キャバッローネと言われればだれもが知っている名前となっている。

ボンゴレと同盟を結んでおり、それに加えて、ディーノはツナの兄貴分だ。

合同で仕事を行うこともあるし、協力をし合っている。






「なんか会うの久々?」

「だな、一ヶ月ぶりか?」

「それぐらいね」

「また綺麗になったな」

「またまた」






気を抜けばまた抱きつかれそうになるので、距離を開けて歩いていた。

肩を並べながら会議室ではなくツナのいる部屋に向かう。






「よっ、ツナ」

「ディーノさん!もう着いてたんですか!」

「おう!」

「ツナ!」

、何かあった?」

「今日の会議ってあたし出るの?」

「あぁ、言ってなかったっけ?出てもらうことになってるから」

「・・・了解」

「まぁ、そう気ぃ落とすな!なっ?」

「って、どさくさにまぎれて何やってんのぉ!?」






肩に回った手を払いのけて距離をとった。

「つれねぇな」という声は本当に残念そうだな、とツナは思う。

この二人はいつもこんな感じなんだなぁとぼんやりと眺めた。






「じゃ、オレらは会議室行っとくぜ」

「"オレら"って何、あたしは朝ごはんをたべ・・・」

「じゃぁ、また後でな」

「ディーノ!」






セリフの途中だったが、引きずられるようにして連れて行かれた。

扉の向こうで「離せ」だの「助けて」などの声が聞こえるが、

そんな声を聞きながら会議に向かう準備をするツナだった。






「ディーノさんものこと好きだよね」






廊下をやっと普通に歩かせてもらったは、

ちょっとだけ食堂に行くことを許してもらった。

ハルと京子に事情を説明したらすぐにたべれるサンドウィッチを用意してくれた。

ありがとうと感謝をしめせば

「会議頑張ってね」との京子からのエンジェルスマイルに癒された。

再び肩を並べながらサンドウィッチをほおばった。

トマトとハムとチーズとレタスがはさんであってなかなか豪華だ。






「オレにも一口くれよ」

「やだよ」

「えー」

「あたしがせっかくもらったのに・・・」

「オレだって朝まだ食ってないんだからな」

「そーなの?」

「移動中でなかなか食べれなかったんだよ」

「しょうがないな・・・」






それを聞いてはさすがに可哀想だとおもい、サンドウィッチをちぎろうとする。

大きいのを一個しかもらってないのでわけることはできない。

ちぎろうとするのディーノがとめると、ニコニコ笑いながら言った。






「ちぎらなくていーぜ」

「なんで?」

「ぐちゃぐちゃになるだろ?」

「じゃぁ、どうやって?」

「食べさせて」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・帰れ」






呆れ顔ではスタスタと先を歩いて言ってしまう。

「ダメかー」とため息をつきながらその後を追った。

追いつく頃には全部食べられていてディーノはさらに肩をおとした。

彼女の顔には「お前にやる食い物はない!」と書いてあるようだった。








無事に会議も終わり、

キャバッローネの人たちは今日はボンゴレ本部に止めてもらうことになった。

同じようにキャバッローネの本部のイタリアに存在するのだが、

これだけの人数が移動するとなると大変である。

それに、個人的に話し合うこともまだ残っているということなので、

二泊三日するということだ。

会議が終わったあと、一度情報室に行って資料だけ置いてこようと思ったら、

ディーノに腕をつかまれた。






「どこいくんだ?」

「情報室に資料置きに行こうと思って」

「それ終わったら食堂で待ってるから、来いよ」

「?」

「飲みにいこーぜ」





久々だし、それもいいかもしれない。そう思ってうなずいた。

小走りで資料を置きに行くと、言われたとおり食堂に向かう。

食堂に入ったと思ったら、何故だかここの温度が低いような気がした。

見渡せばディーノと雲雀がいる。

少し離れたところに座っていたディーノの部下は震えていた。






「お!来たな!」

「待ちなよ。、コレと飲みに行くのかい?」






ディーノの部下が震える理由は雲雀だった。

助けてくれといわんばかりにに視線が集まっている。

殺気がそのまま外に出てしまっている。

ディーノに対する威嚇だった。






「まぁ、行くよ?」

「ボクも行く」

「恭弥は仕事なんだろ?」

「うるさいよ」

「まぁまぁ、二人とも・・・」






この二人はかつて一時とは言え師弟の関係(?)。

そのこともあってディーノは雲雀のことを恭弥と呼んでいた。






「さ、行こうぜ」

「行かせない」

「しつこいな・・・やるか?」

「・・咬み殺す」






ディーノの部下とともに部屋を出た。

こりゃ、今日は飲みにいけないな。

食堂からものすごい音が聞こえてきた。

「何やってるんだ!」というツナの声がするまで、

二人は戦っていたとか。