とくに仕事の無い日は、

情報室に引きこもるのが日課となっている。

三台のディスプレイがおいてある机のイスに座り、

ペラペラと過去の情報と現在のを見比べて、

常に情報を更新するようにしている。

皆が仕事で手に入れてきた情報をなるべくすぐに書き込むようにしている。

書き込むといっても、データベースに打ち込んでいる。

マウスのすぐよこに置いていた仕事用の携帯がなる。

ディスプレイの表示は「フゥ太」だった。






「フゥ太?」

姉!今大丈夫だった?』

「うん、大丈夫だけど、どうしたの?」

『久々に帰れそうなんだ!今本部にいるの?』

「ぇ!ホントに!いるいる!」

『お土産もあるから、今から行くね!』

「フゥ太ありがとー!今、情報室にいるから」

『わかった』






まだかまだかと待っていると、扉が開く。

すっかり大きくなったフゥ太には、すでに身長をぬかれている。






姉!」






抱きついてきた彼の笑顔はまだ幼さが残るものだった。












 情 報 









「長いあいだご苦労様、フゥ太」

「みんなに比べれば楽な方だよ」







情報室に唯一あるお茶をするための机。

フゥ太のお土産は日本での羊羹だった。

今回日本に行っていたため、なかなか帰って来れなかったという。

久々に食べる羊羹は頬が落ちるほど甘くておいしいものだった。







姉ってホントにおいしそうに食べるよねー」

「よく言われる」

「元気そうでよかったよ!」






フゥ太は百発百中(雨の日を除く)のランキングを作り出すことのできる、

ボンゴレにとってそれはそれは大事な存在である。

だが、数少ないボンゴレの者として仕事に飛び回っているわけである。

小さい頃からお互いに姉弟のような存在だった。






「それより、フゥ太・・・ランキング作ってほしいのがあるんだけど・・・」

「何?・・・って、ちょっと口にいれすぎだよ姉・・・」

「ごめんごめん」

「で、何のランキング?」

「こっちが持っていない情報をどこのファミリーが多く持ってるか」

「わかった!」






フゥ太が今ココで、ランキングを始めようとするので、

慌てて阻止した。

物が多いので、後の散らかりようが目に浮かんだからである。

必死になって止めると、フゥ太は「なんで?」とう表情をうかべる。






「散らかるから、後でいいよ!」

「ぁ、そっか、ごめんね」






羊羹を食べながら、緑茶を飲みながら、フゥ太と話し込むことにした。









情報はときにゴミとなり、時に大金となる。

古いものよりは新しいものの方がよい。

時が経てば大金となった情報もただのゴミ当然だ。

それだけに常に新しいものをキープしなければならない。

それだけマフィア界では情報というものが重視されているのだ。

ボンゴレも、実践的な仕事もあるが、

いまのところ一番多いのは情報収集のために借り出されること。

はみなよりも情報に関する仕事につくことが多かった。

1つ目は"ウィザード"であること。

魔法使い、という意味ではない。

ここでは高度なハッキングの技術を持つもののことを言う。

高度な技術を持つことで、他の組織からの情報を見れたり、

ボンゴレ本部にいながらにして損害をあたえることもできる。

2つ目は少ない仕事のできる女性のメンバーとして使われることが多い。

何かと使われる場面が多いのだ。

フゥ太も情報を使って取引を行っているため世界各地を飛び回っている。










ずいぶん話し込んだ二人は情報室を出て、食堂に向かう。

フゥ太からうけとった大量の情報を入力するのは後にすることにした。

また徹夜だな、と頭のどこかではがっかりする。

フゥ太は久々にと共にいれることを喜んでいるようだった。

食堂に入ればランボとイーピンが休憩していた。






「ランボ!イーピン!久しぶり!」


「「フゥ太!」」






昔から三人でよく遊んでいただけに、仲がいい。

昔はあんなに小さかった三人が今では本当に見違えるほど大きくなっている。

時間が経つのは早いなぁ、

だなんてコーヒーを飲みながら老人のようなことを考える。

ランボとイーピンの向かいに座ると四人でいろいろなことを話した。







「今日はみんな休み?」

「はい、私とランボは休みなんです!」

「フゥ太、久しぶり」

「ランボもね」






ランボはボヴィーノの仕事も掛け持ちしているし、

イーピンは唯一中国語が話せる人物として、中国に飛び立つことが多い。

フゥ太も世界中を飛び回っているわけで、

この三人がそろうのは久々だったのだろう。

話はとぎれることはなく、

永遠と続くのをはあまり口を挟まずに聞いていた。






「みんな明日休みなの?」






ふとがたずねると、三人はうなずいた。

実はも明日休みなのである。







「明日ランチどこかに食べに行かない?」

「ほんとに?!」

「いいですね!」

「ボクも賛成!」






口々にあがる嬉しそうな声にまで嬉しくなって一緒に笑った。

それからしばらくはどこに食べに行くかの話だったのだ。

結局本部から歩いて20分ほどのにぎやかな町にある、

フゥ太曰く一度行ってみたかった店に行くことにした。

ついでに買い物をしようということになって、

ますます明日待ち遠しくなる。







夕食の時もこの三人がそろっていることでにぎやかだった。






明日は楽しむだけの一日にしたい!と思ったは、

フゥ太から受け取ったたくさんの情報を今日中に入力してしまうことにする。

さきほどからキーを叩く音だけが情報室にひろがっていたところに、

扉があく音がしたので、振り向くことはできないが、画面を向いたまま問う。






「誰ー?」

「ボクだよ」

「ぁ、フゥ太、どうした?」

「さっき言ってたランキングできたから、ここおいとくね」







おそらくお茶をするための机に置いたのだろう。

「ありがとう」と一言いう。

フゥ太がの座っているイスの背もたれに両手を置いて、

越しに画面を見つめている。






「ランキングの一位はアモーレファミリーだったよ」

「へぇ!意外ね!」

「また、ハッキングするの?」

「もちろん!」

「前から思ってたんだけど、ハッキングしてバレないの?」

「痕跡を残さないようにするんだけど・・・まぁ、バレてもどうってことないし」

姉、言うねぇ!」

「まぁね!前に一度さ、逆にアタックされたんだけど・・・」






アタックというのはこちらに侵入してデータを壊したり荒らしたりされること。

つまり攻撃されたのだと彼女は簡単に説明した。






「返り討ちにしてやったわ」

「並みの腕じゃ姉には勝てないってことだね」

「そーいうこと」

「さすが"ウィザード"だね」






フゥ太の言葉に手を止めて、顔を上に向ける。

彼と目が合うと、彼女はニコリと笑ってこう言った。






「情報の世界じゃ、誰にも負けないんだから」






自信満々に言う彼女を見て、

姉も変わってないや!

と思い、フゥ太もニッコリと笑った。