目を覚ました。

いつの間に昨日は寝てしまったのだろう?

手の届く範囲にあった携帯をつかみ時間を見れば、

すでに朝の八時半ほど。

まだハッキリとしない視界でぼぉっとしていると、

自室のドアからノックする音が聞こえた。






「開いてるからどーぞ」





そう言うと扉が開く。

10畳ほどのの個室に入ってきたのは獄寺だった。






「オイ!いつまで寝てんだ!十代目がお呼びだぞ!」






そう威勢良く叫んだのはいいものの、

いまだベットの上で上体をおこしているだけの彼女を見て、

頬を真っ赤にさせながら扉をしめて出て行った。






「なんつーかっこしてんだよ・・・」






そのつぶやきは彼女には聞こえていない。

ブラウスからのぞく下着が脳裏に浮かんだので、

頭をブンブンと振ってツナの所に向かった獄寺だった。














 日 常 












やっとのことで着替え、

広い廊下を通ってボンゴレアジトの中のツナがいる部屋へと向かった。

ツナ個人の部屋ではなくてボスとしての部屋にいるはずだ。

少し寝癖が残ったまま食堂にいくよりも先にその部屋に向かう。

同い年のボスを昔のまま親しみのある名で呼んだ。






「ツナ」

「ぁ、。まだ寝てたんでしょ?起こしちゃってごめんね」







大きな机に背もたれのあるイスに座っていたツナは扉に立つを見て言った。

彼は今20代。

若いながらもちゃんとボンゴレのボスとしてやっているのである。

その大きな机の手前にあるソファにはすでにリボーンがいた。

はリボーンの向かいに座る。







「さっき隼人が来てここにこいって言われたんだけど・・・また仕事?」






先日も仕事を終えたばかりなのに・・・

と、呟くとリボーンから厳しいお言葉が飛ぶ。





「ぐちぐち言わずに働け」

「酷い・・・」

「まぁまぁ、リボーンもそう言うなって」

「で、用件はなんなの?」

「今回はオレからじゃなくて、リボーンからなんだ」

「リボーン?」








少し意外だという顔でリボーンの方をみれば、

彼はコーヒーを飲んでいるカップを置いた。

リボーンのことだ、なかなかに大変な要求に違いないと、嫌な顔をした。






「実は頼みてぇことがあるんだが・・・」

「・・・内容は?」

「そう嫌そうな顔すんな。町の様子を探ってきてほしい」

「なんだ、そんなことか!」






ここは日本ではない。

現在のボンゴレの本部のイタリアである。

実質ボンゴレが治めているともいえる町の様子を

調べてくるというのはたまにまわってくる役だった。

しかもこの仕事のいいことは、

ついでにショッピングができるということ。

きっとリボーンのことだからそれを見かねてのお願いだ。

だが、この仕事をあなどってはいけない。

人々の声というのはものすごい重要な情報源であって、

それを集めて来いという暗黙の決まりが潜んでいるのだ。







「あたしでいいの?」

「最近仕事ばっかりだったし、しばらくは休暇とりなよ」

「そういうことだぞ」

「やった!ツナ、リボーン、ありがと!」






しばらくその部屋で話していたが、

のおなかから聞こえた音のために解散となる。













「今日の朝ごはんは和食か」

「ハルと京子ちゃんが頑張ってつくりましたから!さぁ、めしあがれ!」






食堂(という名の広いリビング)に行くとハルがすでご飯を準備してくれていた。

こんな遅い時間だったから一人だけなのかな?と思ったが、

山本が同じように食べ始めたばかりらしい。

は山本の横のイスに座った。






「武今日遅いね」

「おー!。オレ朝帰りだったんだわ」

「どんまい。寝てないんじゃないの?」

「これ食べたら昼まで寝る」






ニカッといつまでもかわらない笑顔で箸をすすめた。

ハルが白ご飯をよそってもってきてくれる。






「やっぱ二人の作るご飯おいしいよね!」

「はひっ!ちゃんにそういってもらえると嬉しいです!」

「ところで京子ちゃんは?」

「たしか・・・お兄さんと買出しです!」

「そっか」







ハルは役目を終えたのでエプロンを外しての向かいの席にすわった。

この建物にすんでいるボンゴレファミリーの、

メインメンバーのご飯を作っているのはハルと京子だった。

買出しも自分達でおこなっている。

マフィアの常識からすれば変な話なのかもしれないが、

ボスのツナが望んだのだ。

おかげでみんなで楽しくくらせるはココが大好きだった。






「昼間で寝れていーな、武は」

「寝てないのか?」

「隼人に起こされた」

「得役だな〜アイツ」

「は?」

「や、なんでもねぇ」







ちょっと何考えてるんですか!というアhルのツッコミが山本に飛ぶが、

意味がよくわからなかったはクエスチョンマークを浮かべたまま味噌汁をすすった。











いろいろ食堂で話していると9時をまわってしまった。

部屋に帰って私服(ジーパンに淡い黄色のブラウスというシンプルなもの)に着替えると、

さっそく町にでかけようと思い部屋の鍵をしめて部屋を出た。

働きづめで、久々にもらった休みなので嬉しい。

システムの修理や変更に膨大な時間をとられてしまっていたのだ。

ルンルン気分で部屋を出て絨毯が引いてある廊下をあるいていると目の前から人が歩いてくる。






「私服だね。どこいくの?」

「どこでもいいでしょ、どこでも」






黒いスーツにダークレッドのネクタイ。

雲雀がのそばまでやってくる。







「へぇ、休みもらえたんだ?」

「そうなんだ!いいでしょ!」

「で、どこいくの?」

「町に買い物」

「ボクも行くよ」

「え?」







おもわぬ一言に雲雀の顔をのぞきこむ。

彼の方が身長が高いゆえに見上げるかたちとなった。






「何?嫌なの?」

「仕事あるんじゃないの?」

「ないよ、今日はボクもヒマ」

「なら、一緒に行こ!」







服装はそのままでいくらしい。

こうやって雲雀と買い物にいくのは珍しくはない。

ただ、最近が忙しかったので買い物自体が久々なだけである。

やはり一人でいくよりも誰かがいたほうがいい。

肩を並べて歩いているときに彼が言った。







「久々のデートだね」

「・・・何を言うんだか・・・違うって」







ニヤリと笑って腕をとって歩く彼に、

恥ずかしくなって少しだけ頬を赤くした。

建物の外に出れば太陽がまぶしい。

帽子を被ってくるんだった・・・と後悔した。












晩御飯の時、久々にメンバーがそろう。





「で、なんか面白い話つかめたか?」

「今町ではやってるとかいう料理屋でランチ食べてきた!」






いいなぁーという言葉が数人から漏れる。

ハルがうらやましい!といわんばかりの声をあげた。

山本は今起きたのは眠そうにご飯をたべている。

の横に座っている雲雀が言った。

群れるのは嫌なのだがに言われてここで食べている。






「おいしかったね、あの店」

「え!雲雀さんも行ったんですか!?」







つーか仕事は!?とツナが叫ぶ。

その叫びを聞いてギロリと雲雀がそちらを睨んだ。

ぇ!仕事あったの!?とが驚く。






「いい度胸ですね雲雀恭弥・・・」

「変な頭に言われたくないよ」






二人の間に散る火花にため息をついたのはボス。

骸の隣の席だったランボは怯えながらご飯を食べていた。






のこととなると、みんなこーなんだから・・・






にわかに殺気だつ食卓に大きなため息を一つこぼすのはボス。

それぞれの武器をとりだそうとする二人を必死に止めた。